うぇるたいぷろぐ

うぇるあめのタイピング関連ブログ

MENU

m5bilisimで変換打鍵を練習しよう

 しよう

m5bilisimとは何

 トルコのウェブサイト。機能の充実したタイピング練習コーナーがある。去年paraphrohn氏が発見した。
www.m5bilisim.com

 Interstenoと画面の形式が似ているため、多言語タイピング練習サイトとして期待が持たれている。

 練習においては既存の課題文だけでなく、自分で用意した文章を埋め込んで打つこともできる。
 さらにリザルト画面では速度グラフの詳細な表示機能があるため、これらを組み合わせて変換タイピングの分析をしてみる。

使おう

 On Parmak(「10本の指」)からÇalışma Sayfaları(「ワークシート」)のコーナーに入る。

www.m5bilisim.com

 メニューの中から、文章形式である右のKatiplik ve Şampiyonalar Deneme Sınavıのうち適当な項目を選ぶ。

 プレイ画面左上にあるKendi Metinim(「自分のテキスト」)を選択。

 入力欄に打ちたい文を入れる。右下のHazırla(「準備」)を選択。
 (Enter vuruşlarını boşluk ile değiştir:エンターをスペースに替える。チェックを外すほうがやりやすいと思われる。)

 メニューバーの時計マークで時間を設定できる。また、その右側・下側にあるボタンで表示形式の調整ができる。

 あとは打つ。

 結果画面。

 項目がたくさんあるが、Toplam Tuş Vuruşu(「合計キーストローク数」:画像では542文字)とHata Sayısı(「エラー数」:画像では0文字)だけ見ればよい。
 Toplam Tuş Vuruşuが打った文字数と同一視できる。

 速度グラフを閲覧し、現実を直視できる。アタシの打鍵って、スカスカすぎる……
 ちなみにミスした場合はリザルトにその箇所と内容が表示される。

左右非分離型のローマ字入力配列「雲乃井配列」を触ってみた

 新しく公開された日本語ローマ字入力用配列「雲乃井配列」を3時間ほど触ってみました。
 e-typingの腕試しチャレンジで100ptを超えることができたので、いったん感想を書きます。

e-typing 101pt

雲乃井配列

 宮野渉さんが昨日、日本語特化のローマ字配列「雲乃井配列」を公開しました。

 両側に母音を置く、左右非分離型の配列です。左右対称の形が目を引きます。
 コンセプトとして、アルペジオ打鍵を重視することと、負荷を人差し指と中指に集めて疲れにくくすることを重んじたそうです。

基本的な観察

 まず分かることとして、この配列は相当横に広くキーボードを使用しています。中段に12個のキーが並んでおり、キーボードの端から端まですべて使用しています。

 母音のキーは、右手にAUO、左手にIEがそれぞれ固めて置かれています。そして子音については、内側に清音、外側に濁音・半濁音のキーが置かれています。使用頻度からいって、外側のキーはあまり使用しないため、実質的な打鍵範囲はそれほど広くないことになりそうです。
 また、母音と子音については極力指が被らないように配慮されています。標準運指で同じ指が連続するひらがなは「ご」のみで、他はすべてアルペジオまたは交互で打つことができます。

使用感

 使い始めて最初に悩んだのは、指のホームポジションをどこに置くか、という点でした。
 人によっていろいろ好みが出そうですが、個人的には、EIに左手の薬指・中指を、AOに右手の中指・薬指を置く配置が一番落ち着きました。ここを基準にして、相対的な位置関係を把握するようにしました。

 そして使用感。当たり前ではありますが、アルペジオが明らかに多いです。これは使用してすぐに「面白い!」と分かりました。QWERTYと比べて指の流れが整えられているため、普段の感覚とも異なります。
 すぐに高速化できる基礎動作は「か」「く」「こ」「し」「な」「の」「は」「る」、「おう」「そう」「とう」「よう」など。「わ」「を」も右手一発で楽に処理できます。

 なお弱点となる並びのうち汎用的なものとしては、「せい」「てい」などがあります。「で」「め」などもかなり力が入りにくいです。
 また、この配列ではスペースキーの位置に対してかなり右に寄ったところに手を置いています。これにより、左手でスペースキーを使用する場合は問題ないものの、右手でスペースキーを押そうとすると困難が生じます。

 設計として悪運指がかなり取り除かれているため、標準運指を崩す必要性は薄いです。最適化のセオリーを応用するとすれば、左手/右手担当キーへの逆の手の出張(折り返しの解消やアルペジオの増加のため)、XNの導入(N連打回避のため)などが検討できそうです。

アレンジ

 しばらく使用しながら、個人的にいくつかのアレンジを施しました。一般的にそうすべきという話ではありませんが、個人の環境・趣向として使いやすかったのはこの形でした。

自分向けにアレンジした雲乃井配列のレイアウト
  • 配列の仕様としてCに「ん」を、Jに「っ」を割り当てることが定められていましたが、今回は適用せず、そのままアルファベットを割り当てました。個人的にどちらも使用したいキーであったことと、QWERTYと打鍵数を揃えたかったことが理由です。(タイピングゲームにおいて配列改造がどこまで許容されるかはあまり議論されていませんが、暫定的なラインとして「標準配列と打鍵数が変わらない」ことがひとつのラインにされることが多いです。)
  • レイアウトをの横幅を縮め、左に寄せました。具体的には、ZをQWERTY配列でいう「Z」の位置に移動し、左手キーをすべて左に1個ずつ寄せています。それに合わせて右手キーも左にずらし、さらに最も右にあるBをCキーの位置に移動して、Cを下段にスライドしました。横幅をフルに使うことによる空間把握の難しさを感じたためです。また、これによって右手スペースが使えるようになりました。
  • Mキーの位置が遠く感じたため、QWERTY配列でいう「T」の位置に移動しました。自分の使用しているロウスタッガードキーボードだと、こちらの方がやりやすく感じました。QWERTYでいう「が」「た」「ら」あたりに思う問題ですが、同じアルペジオでも2指を遠くに伸ばしてのアルペジオは身体的に難しく感じます(英語圏でいうLateral Stretch)。もとあったXは左下に移動しました。上のアレンジと合わせ、奇しくもQWERTYのようなZXCの並びが復活しました。
  • カンマキーの位置にDキーを置きました。「、」は認識上他のキーとチャンクを組みづらく、どうしても打鍵の流れが切れる点になるので、多少遠くにいても問題ないという私見があります。かわりに、左上で多少取りづらさを感じたDキーを持ってきました。日本語において「ぢ」は使用せず、「で」をかなり使用するため、DIの下に置いても不都合はあまりありません。
  • 「G」キーと「F」キーを入れ替えました。Gはそれなりに使用するので、右小指から左に向かってアルペジオを効かせられたほうがよりやりやすいと感じたためです。Fキーをほぼ使わないキーととらえたとき、ここを入れ替えたほうがベターでした。

おわりに:アルペジオ配列について

 タイピング速度におけるアルペジオ打鍵の重要性は、個人的に過去記事で論じたことがあります。
welame.hatenadiary.com

 ローマ字配列の設計方針を大きく2つに分けるとすれば、交互打鍵を重視するか、それとも片手でまとめた打鍵(アルペジオ打鍵)を重視するか、という分類が可能であると思います。
 たとえば、『Keyboard layouts doc (3rd edition)』(Ryude氏の抄訳記事)13章の分類を見ると、交互(ALTERNATE)重視のカテゴリ1種と、アルペジオ(ROLL)重視のカテゴリ4種という分け方をすることが可能です。

 交互配列は、悪運指が少なく安定しているものの、スピード感がない。非交互配列は、打鍵を時間的に省略できる場面が多いが、悪運指や折り返し打鍵が増えて安定しづらい。ごく大雑把に言えば、このような特徴づけから出発できると思います。
 そしてQWERTY配列は、非交互配列という後者のカテゴリーにおいて、それなりに成立した配列であるということができます。QWERTY配列に対する批判は、このカテゴリの意義を認めた上で、どのような性能向上の余地があるのか、という観点からなされるべきだと考えています。
 しかし現状のローマ字新配列において、非交互配列(日本語入力においては母音左右分離とほぼ同義)のコンセプトを持った配列設計の話は、少なくとも私の見る限りではまだまだ開拓されていない感があります。

 私はタイパーとして、すなわちタイピングにおける「速さ」を重視する立場の人間として、非交互配列に今後も注目を向けていきたいと思っています。このような試みの一例として、宮野さんの配列は検討される価値があります。

現在やっているタイピング企画をぜんぶ紹介します

 こんにちは、うぇるあめです。
 自分はタイパーとしてタイピングゲームを遊ぶかたわら、YouTube配信やコミュニティ運営などいくつかの企画を行っています。今回はそれらを一挙に紹介していきたいと思います。

 本記事は、たのんさん主催の「タイパー Advent Calendar 2025」タイピング部門2日目の記事です。

adventar.org

 隣接する記事は以下の通りです。

  • 前日(タイピング部門):たのんさん『「上達論」の上達論』
  • 前日(フリー部門):fazさん『一人旅シミュレーション制作記
  • 当日(フリー部門):-
  • 翌日(タイピング部門):みていちゃんさん『タイピング文学を読もう!』
  • 翌日(フリー部門):たのんさん『クリッカー/インクリメンタルゲームに脳を焼かれた人間の末路』

タイパーブログ部

 『タイパーブログ部』は、タイパーが記事や文章、制作物を共有し、集積するためのコミュニティです。今年春に発足しました。

w.atwiki.jp

 タイパーから投稿物を集め、wikiに登録・共有するのが基本的な活動です。
 部門は3つに分かれています。

  • 記事投稿部門:ブログ記事などのまとまった文章を投稿します。
  • 日記部門:日記や日単位で更新する文章を投稿します。
  • クリエイト部門:イラスト・ツール・企画などの制作物を投稿します。

 各ページに飛ぶとこれまでの投稿物がみられます。それぞれいろいろ蓄積されていますので、ぜひご覧ください。

 投稿は誰でも可能で、公式XのDMに送っていただくか、wikiのメンバー権を取得して自分で表に追加していただくことで登録されます。投稿物はwikiに保存されるだけでなく、サイトや公式Xを通して共有されます。

 日常で生まれたさまざまなアイデアは、形にして投稿することでみんなが参照できるようになります。できたものをページに残しておけば、後から見返してアクセスされる機会も生まれるかもしれません。執筆やものづくりのきっかけにぜひ。

タイパー達へ100の質問(2025)

 『タイパー達へ100の質問(2025)』は、タイパーによるタイパーのための100個の質問集です。今年6月に公開し、ありがたいことにたくさんの方からご回答いただきました。

w.atwiki.jp

 この企画はタイピング界に昔からある「100の質問」文化を継承したものであり、A.Yuzo氏の『タイパー達へ100の質問』、およびその更新版である『新・タイパー達へ100の質問』をリスペクトしています。
 最新版の発表から約14年間が経過したいま、有志の協力のもと現代向けにアップデートした内容を作成しました。

 今バージョンからの新たな特色として、質問事項の一部を選択式にし、自分のプレイスタイルに合わせたセットを作成できるようになっています。
 具体的には、61~70問目、71~80問目、81~90問目を自由選択式にしています。この領域を「e-typing」「毎日パソコン入力コンクール」「英語タイピング」など全15種類ある10問セットから選んで埋めることで、自分にとって馴染み深い領域の質問に答えられるしくみを作っています。
 令和最新版として生まれ変わった100質、自己紹介などにご活用いただければ幸いです。サイトには投稿欄も設けています。

タイピング対戦会&ニュース雑談

 私のYouTubeチャンネルでは毎週土曜日19:00~、タイピング対戦会&雑談配信を行っています。

www.youtube.com

 放送時間は2~3時間程度。
 配信の前半では、主にTyping Tubeでのリアルタイム対戦会を行います。サイトの対人戦機能を用いて部屋を開き、その週の新着譜面や自作の難関譜面集からやりごたえのある譜面を選曲します。チャットでのリクエスト機能も受け付けています(状況によりすべてをお受けできないこともあります)。

 ひとしきり遊んだあと、配信の後半ではその週にあったタイピング関連のニュースについて雑談します。新しく出た歴代記録やトップクラスの記録の紹介、新着タイピングゲームの試遊、イベントや製品の紹介……。週ごとにさまざまな話題を取り上げて話します。

うぇるあめ杯

 同じくYouTubeで毎週土曜日23:00より、タイピング大会『うぇるあめ杯』を開催しています。タイパーとしての総合力が試される、特殊なルールの大会です。


- YouTube

 この大会で行うのは、制限時間つきのスコアアタックです。最初にルーレットを回して今週プレイする種目を決定し、30分間でそのゲームのスコア詰めを一斉に行います。参加者はその時間内に出したベストスコアをコメント欄で報告し(開催中は何度も更新可)、そのスコアが高かった順に最終的なランキングが決定します。

 ルーレットに含まれるゲームは以下の通りです。(ローマ字/かな両方参加できる種目はかなスコア1.5倍など適宜補正します)

  • e-typing腕試し ローマ字/かな
  • e-typing腕試し英語
  • e-typing長文
  • タイピング速度測定
  • Weather Typing(シングル)
  • タイプウェル R/K(4種の中から再抽選)
  • タイプウェル英語(4種の中から再抽選)
  • タイプウェルオリジナル(4種の中から再抽選)
  • TypeRacer
  • Monkeytype
  • 実タイ
  • Typing Tube(7曲対戦)
  • 打鍵トレーナー(種類は再抽選)

 対人戦とは異なるルールを採用しているため、この大会では普段求められない能力が発揮されます。いろいろな種目に対応できるオールラウンダー性。短時間で記録を揃えられる安定力とノウハウ。そして、他の参加者から一歩抜きんでた場所で戦うための爆発力。
 一発勝負でないからこその気楽な環境で、じっくり腕試し。夜遅くの開催ではありますが、時間の合う方はぜひご参加ください。
 歴代の上位ランキング表はスプレッドシートにまとめてあります。
docs.google.com

うぇるあめ杯 歴代ランカー一覧

YouTubeで毎週行っている「うぇるあめ杯」について、歴代の成績上位者をまとめたスプレッドシートを作りました。
リンクを下に貼っておきます。

【うぇるあめ杯とは】
うぇるあめが毎週土曜23時より開催している、ノンジャンルのタイピング大会。
毎回ルーレットで種目を決定し、約35分間でどれだけスコアを出せるかを視聴者と競う。

docs.google.com

競技タイピング界の現在 2025年6月編:寿司打高級59700円得&お勧め34400円得、月跨ぎ連続Error、タイパー100質

本記事では、競技タイピング界でその月に起こったさまざまなトピックを紹介します。

筆者は普段YouTubeでタイピングに関する雑談配信をしており、毎週コメント欄に集まった同好の士たちと競技タイピング界の出来事について語り合っています。
当ブログでもその内容を後から振り返りやすいようにまとめておきます。

記録

e-typingの6月のお題は、以下の通り。
・2025/5/27~6/2 『給食のおかずR/K』『あいづちE』
・2025/6/3~9 『梅雨の言葉R/K』『天気のことばE』
・2025/6/10~16 『元気が出る言葉R/K』『早口言葉E』
・2025/6/17~23 『体の慣用句R/K』『慣用句E』
・2025/6/24~30 『数のある言葉R/K』『表情E』

スコア詰めの定番、元気ワードの週がここで到来。ローマ字部門でゆたゆたさんが903ptを叩き出し、大台記録をランキングに刻みました。かな部門でもめる(お茶の木)さんが553ptの好記録をマークしています。
またこの次の週では体の慣用句が登場し、比較的ワードの長い課題が続きました。

英語モードは今月もねぎさんが揺るがぬ実力で全勝。連勝記録を46に伸ばしました。

長文モードでは雨の長文が登場しました。アメンボの文章が現行最強クラスの当たりワードとして名高く、多くのタイパーが対策を重ねてきたこのテーマですが、今年は初日からまるくんさんがErrorを達成。同氏は5月最終日に家電の長文でErrorを達成しており、月をまたいだ異なるお題で2日連続Errorを叩き出すという離れ業を見せつけました。
さらにまるくんさんは記録を伸ばし、月末に1159pt相当の記録を叩き出します。これまでのError記録のうち推定相当スコアが最も高いのは、このはさんの1182kpm-miss2(推定1158pt相当)。よって今回のまるくんさんのリザルトは、非公式ながら歴代最高記録にあたるスコアであるといえます。


打鍵トレーナーではゆたゆたさんが1143打鍵を達成。先月の1140打鍵からさらに記録を伸ばし、2位との差は79となりました。当然歴代記録です。


寿司打では、ゆたゆたさんが高級モードで59700円得を達成。それまでgoeさんが保有していた53300円得の歴代記録を大きく更新し、6万円台に迫る大記録を樹立しました。
また、しばさんが同じく高級モードで48400円得を達成。まだ初めて日が浅いプレイヤーながらも急成長を遂げています。

お勧めモードでも歴代更新の応酬がみられました。まず元の歴代記録を保持していたgoeさんが、自己記録を上回る33160円得を達成。そしてその数日後にゆたゆたさんが34400円得を記録し、歴代1位の座を奪い取りました。先の高級の更新とあわせ、現在はゆたゆたさんが寿司打3部門のうち二冠を達成していることになります。

なおゆたゆたさんはPopタイピングでも歴代記録となる118919粒を達成。自身が保有していた元歴代記録を更新し、11万粒台の領域をただ一人で進みます。

イベント・大会

ロシアのタイピングサイトであるKlavogonkiにて、多言語タイピング大会『Megalingua2025』が開催されました。最大100言語を打って総合スコアを競うという、非常にハードな大会です。
日本からはdqmaniacさんやパルキーさんなど数人が参加しています。


また3日、大学生限定のタイピング大会『Typing ChallengeCup for University 2025』のオンライン予選が始まりました。

参加対象となるのは、2025年現在で大学、短大、専門学校に所属している学生。大会専用Discordに参加してスコアを競い、各大学の上位1名が本戦への参加権を獲得します。
種目として使用されるのは、プロ検のタイピングソフト。ミス数が非常に大きなウェイトを占めるため、打鍵力以上に安定性、正確性が求められるゲームです。本番では予選と同じソフトを用いて試合を行うため、一発逆転の展開が多く見られるかもしれません。
参加表明中のタイパーも一定数おり、活躍が期待されます。


第119回ニコ生タイピング王者決定戦では え さんが優勝しました。



その他

◆億万兆タイピング
7日、ゲームクリエイターのアキオさんが『億万兆タイピング』をサイト上でリリースしました。

数字や数を「日本語読みで」打っていくという、異色のコンセプトを持った数字タイピングゲーム。一桁から始まってひとつずつ桁が増えていき、そのぶんだけ入力にかかる時間も次第に長くなっていきます。制限時間の60秒を使い、できるだけ多くの桁数に到達することが目標となります。認識がパーツごとにぶつ切れになりやすく、また桁と桁の間で「ん」の処理に迷う場面も頻発するなど、ワードは非常に癖が強いものになっています。

ランキングはまず到達した桁数でソートされ、次に同じ桁数のプレイヤーがスコアの高低に従って順位化されます。スコアはノーミス連続数に大きく影響されるため、まず自分ができる限りの桁数に確実に到達し、そのなかで正確性をなるべく保っていくことがキーポイントです。


タイパー達に100の質問
14日、タイパーブログ部のサイト上にて『タイパー達に100の質問(2025)』が公開されました。

w.atwiki.jp

タイパー達へ100の質問」は、タイピング界における定番企画シリーズ。その名の通りタイパーが100個の質問に答えていくアンケート企画で、これまでに有志によって何パターンかの質問セットが作成されてきました。今回の質問セットはその11年ぶりの新作であり、筆者である私が企画し、多くの方々の協力を得ながら作成したものです。
回答はサイト上で投稿フォームが設けられているほか、かめおさんが独自にまとめているスプレッドシートでも確認できます。


◆BRAIN TYPING
12日、たのんさんが脳トレタイピングゲーム『BRAIN TYPING』をリリースしました。

英単語タイピングに脳トレ要素を加えた、新感覚のタイピングゲーム。表示された英単語をそのまま打つのではなく、同時に表示される矢印マークに対応したルールで打つことが求められます。

NORMALモードで出現する矢印は上下左右の4種類。矢印が右向きならばそのまま打ち、左向きならば文字を逆順に打ちます。さらに、上向きならばその単語をアルファベットを昇順に並べ替え、下向きならば降順に並べ替えてから打つ必要があります。これらの変換作業を頭の中で行いながら、制限時間内にできるだけ多くのワードを打つことを目指します。

さらにINSANE MODEではこれらが複合された斜め向きの矢印が追加され、ルールが合計8種類に増加。ただ打つことすら困難を極める、非常に高い難易度に仕上がっています。


◆Typing Tubeアップデート
歌詞タイピングサイト最大手のTyping Tubeが、さまざまなアップデートを打ち出しています。

検索機能や対戦機能の調整など6月中にいくつかの更新がありましたが、なかでも影響が大きいのがこのユーザー登録機能の復活です。Typing Tubeのログイン機能はTwitterAPIが利用不能になって以来、その使用範囲が大幅に制限されてきました。しかし今回の更新でさまざまなプレイヤーがふたたび無条件にログインできるようになり、ランキング参加などの機能を使用することが容易となりました。


◆バラエティ総合ランキング
28日、鉄馬さんがe-typingのバラエティワードのランキング閲覧サイトを公開しました。

etyping-variety-rankings.tekihei2317.workers.dev

e-typingは毎週開催される腕試しチャレンジだけでなく、常設されたバラエティワードでも一部の課題でランキングを設置しています。しかしこれらのランキングが競争領域として注目を受けることはほとんどなく、時折タイパーが散発的にスコアを詰める程度の立ち位置に留まっていました。このサイトはそれらのランキングをデータ化し、総合ポイントを計算することで、e-typingの新たな楽しみ方を打ち立てています。対象ランキングは13種類あり、現在はY-iさんが他に大差をつけて一位を独走しています。

競技タイピング界の現在 2025年5月編:打トレ1140、家電の長文Error、YTyping新モード

本記事では、競技タイピング界でその月に起こったさまざまなトピックを紹介します。

私は普段YouTubeでタイピングに関する雑談配信をしており、毎週コメント欄に集まった同好の士たちと競技タイピング界の出来事について語り合っています。
当ブログでもその内容を後から振り返りやすいようにまとめておきます。

記録

e-typingの5月のお題は、以下の通り。
・2025/4/29~5/5 『慣用句R/K/E』
・2025/5/6~12 『ことわざR/K/E』
・2025/5/13~19 『擬音・擬態語R/K』『映画E』
・2025/5/20~26 『大好きなおやつR/K』『スポーツのことばE』
・2025/5/27~6/3 『給食のおかずR/K』『あいづちE』

あまりスコアを出しやすいワードは来なかった印象ですが、擬音擬態語ではゆたゆたさんが881ptを記録しています。
英語はねぎさんが相変わらず800を連発しながら全週1位を獲得。連勝記録を41に伸ばします。

長文のお題は『家電の長文』。これまでほぼノーマークのお題でしたが、特にロボット掃除機のワードが打ちやすいと評判になり、最終日にまるくんさんがスコア1100超のErrorを達成。史上4人目のError達成者となりました。

打鍵トレーナーでは、ゆたゆたさんが高速タイピングにて記録を1140に更新。二位の1064に76打鍵もの差をつける大記録を樹立しました。インフレの続く今の打トレランキングでもひときわ群を抜くような、信じがたい領域です。
また、さくさくタイピングではEitoさんが1047打鍵を達成します。

Weather Typingではお茶の木さんがかなLv13を達成。両刀使いとして実力を高めます。

タイピング速度測定ではゆたゆたさんが527打鍵を達成しました。

イベント・大会

オンラインWeather Typing大会『TYPING LEAGUE』の5月大会が開催されました。Year1の第2回予選大会です。

前回予選に続き、今回もmuller選手が8戦8勝で優勝。続く8戦7勝のさなろーま?選手が2位となり、繰り上げでFinal Tournamentへの出場権を獲得しました。


第118回ニコ生タイピング王者決定戦では3.14さんが優勝しました。



その他

◆QuizKnockと学ぼう
クイズ系Webメディア/YouTuberのQuizKnockが、サブチャンネル「QuizKnockと学ぼう」にてタイピングをテーマにした動画を公開しました。
youtu.be

動画内では鶴崎さんが競技タイピング文化に言及。タイパーという言葉がそのものずばり出てきたり、TODなどの名前が挙げられていたり、ディープなところまで突っ込んでいます。


◆タイピングギルド
四月末よりゲーム『タイピングギルド』がリリースされ、一時的に多くのタイパーが集まってプレイしていました。

ゲームシステムはe-typingと似ている……というよりほぼ同一。スコアに応じて"ギルドランク"が付与され、ランキングで競い合うシステムとなっていました。現在サイトは休止中です。


◆YTyping新モード
17日、歌詞タイピングゲーム『YTyping』に変換ありタイピングモードが追加されました。

今回新しく実装されたのは、ニコ生タイピングのシステムおよび採点プログラムを模したモード。なんとYTyping上のすべての譜面でプレイ可能になっています。
プレイ前画面の右下のボタンを押すことで専用ページに入ることが可能です。


WARHAMMER 40000
23日、Steamにてゲーム『Warhammer 40,000: Boltgun – Words of Vengeance』が配信されました。FPSWarhammer 40,000: Boltgun』をタイピングゲームに改造した無料ゲームです。
automaton-media.com

ワードはすべて英語。タイピングで敵を倒しながら、全3ステージを進んでいきます。
シューティングゲームを原型にした作品というコンセプトはTODを彷彿とさせますが、実際のゲーム性もかなり同作品に近いです。難易度はかなり高く、最高レベルはタイパーでも苦労する設定になっています。

RTC観察を通して見えてきた、トップタイパーの「詰め方」

先月『REALFORCE TYPING CHAMPIONSHIP 2025』が開催されて以来、いろいろなことを考えています。この映像からどのくらいのことを読み取れるのか。このような打鍵はどうしたら可能になるのか。トップタイパーの打鍵と、私の打鍵の違いは何なのか。

www.youtube.com

それらの問いを突き詰めるため、私はRTCの映像のコマ送り分析をはじめました。

YouTubeにはいくつかのキーコマンドがあり、例えばJキーとLキーで10秒戻し・10秒送り、←キーと→キーで5秒戻し・5秒送りができます。それよりさらに細かく見たい場合、一時停止して,キーと.キーを押すことによって、フレーム単位のコマ送りをすることが可能になります。
この機能を用いて、選手たちの手元映像をじっくりと毎日見続けました。


当初私はゆたゆた選手のプレイに衝撃を受け、その打鍵の秘密を探るためにこの探求に手を付けました。だから観察する映像も、決勝のくわな選手との1セット目からはじめました。
ゆたゆた選手の打鍵は非常にパワフルであり、手の激しい上下動を伴いながら同時押しなどの高速な動作を決めていくところにその打鍵の秘訣がありそうだと考えました。

カウントダウン「1」のとき、ゆたゆた選手が指をキーにつけた状態のまま手首をふっと一度上げる。振りは小さいがくわな選手も類似の動作をしている。  「チャンスメーカーのいるギミック」 ゆたゆた選手、スタートダッシュの交互が速い。まず放物線を描くように山なりに指を動かし、最初のTとYを取りに行く。そのままANほぼ同時に一発。次のSU→Mは右手連続で、Mは右手中指で取っているものの、すばやい右手の前後が伴う。そのあいだに左手が振り上げられており、Eをしっかりと押して勢いづける。 -→K、伸ばし棒小指。右手二連続となったわずかな隙、ここでまたすでに左手が高く上がっている!A-を押し込む。その後水平に右手を動かしてNOを同時押しし、さらに立った中指を下ろしてIを入れる。このNOIの三文字はひと動作で入れているといってよい雰囲気。この動作の途中に左手を振り上げ、Rを強調して押す!RUが入る。山なりに跳ねるようにRからGに左の人差し指が移り、力強く押す、GIが入る。 MIはM親。まだ短い指を活かした運指か。CCUはC/CUと区切られている。連打分割したうえで、1回目のCに指の強調がおかれる。さらに左手動作にわずかに時間がかかるのでその間に右手が振り上げられており、Uが力強く押される。941kpm。  ◆ポイント1:移動や連打によって片方の手に重い動作が来るとき、もう片方の手は浮き上がっている。 ◆ポイント2:その浮き上がった手を下ろすときなど、周りの打鍵と比べて特に強調された動作で押されているキーが存在する。 ◆ポイント3:「交互二打」がチャンク的な打鍵単位として成立している印象を受ける。 ◆ポイント4:2連打は前の打鍵と後の打鍵にそれぞれ寄せる形で区切る。  くわな選手、TYはYをやや山なりに取りに行く。AのあとにNを抜かしてSUと打つミス。しかしそのままNSUを入れて素早くリカバリー。U→Mの人差し指移動はミクロに見ると、指を引く、Uの真上に来る、Mに下ろす、の動作。この間も左手は手首をおそらくつけたままほぼ上下動なく次のEの動作に移っており、最低限の指の入れ替えで解決するスマートなプレイが見える。伸ばし棒は薬指。 KA-、Aを静かに押し込む。本当に左手の動作が小さい。手首のわずかな角度変化によって解決している。-CA-のほうが動作としては楽だと思うのだが、両選手採用せず(くわな選手はそもそもC打ち自体使わない?)。NOIはN/OIの区切りになっており、OIが同時押しされている!そもそもここは文節の区切れなのだが(メーカーの/いる)、加速箇所になるのは共通認識か。 RUGIをGURIと押す、いわゆる音位転倒ミスが発生。ゲーム上はRまで入る。相手がワードを取り、このターンは終了。  ◆ポイント1:左手は動きが非常に少なく、手首の最低限の角度変化しか使っていない。 ◆ポイント2:右手は人差し指の移動範囲ゆえ相対的に動きが大きくなるが、それも手首の角度と、ときどきの人差し指の屈曲によって実現されており、特別大きなストロークなどは入れていない。 ◆ポイント3:上のようなスタイルによるものか、打鍵がはっきりしたメリハリで区切られている印象は受けず、ひとつひとつの打鍵が最短距離でなめらかに押されている。
観察したことのメモ


けれどもそのうち、対戦相手であるくわな選手がゆたゆた選手とまったく別のスタイルで打鍵を行っていることもわかってきました。
くわな選手の打鍵は、とにかく動きが少ない。手首の回転なども活かしながら、最小限の動き、最短距離でキーを入れていきます。加速もミクロで無理に入れようとすることがなく、総じてスマートな打鍵をしている印象を受けます。
最適化もほとんど一切使用しない選手であるため、目を見張るような異様な打鍵が出ることはありません。しかしその動きで、1200kpm級の速度が求められる勝負を取りきっている。


そうなると次に、このような疑問が湧いてきます。「細かいスタイルがお互いまったく異なるトップタイパーたちに共通している特徴は何か」。

現状この問いに対して自分が出している結論は、「打鍵の隙間のなさ」です。


ゆたゆた選手は手の上下動が激しいと上で書きましたが、その手を大きく振り上げる箇所にはある程度の法則性があるように見えます。それは大まかに言えば、片手が2~3打鍵の動作をこなしているときです。
連打なり、片手交互なり、タイピングをしていれば片手でやや時間のかかる動作をこなさければならない瞬間はしばしばあります。そのわずかな間に手を振り上げていき、動作が終わった瞬間に"すぐ"振り下ろして次の動作の勢いを作っているのです。
指一本ずつによる交互押しが始まる場合は、この勢いづけを両手の指でしっかり行っていることもあります。とにかく不要な隙間を作らないように努めているのです。


自分が観察したワードのなかでこの真髄が現れているもののひとつが、決勝1セット目2ワード目の「ブリーフィングしたところワクワクする」(ゆたゆた選手1326kpm)です。

B→U→R→Iという流れでUからRにつないでいる場面。すべて人差し指の担当となるこの交互を、一本一本力を込めてしたたかに詰めていきます。

F→IN→G→Uに至るINを同時押ししているところ。左手はここで最高高度まで上がり、このあとすぐに強く振り下ろされます。


そして圧巻なのがつぎのSHITAの5打鍵です。

Sを押す。

ほとんど間を開けずに、HIを押し込む。

と思ったら、もう次の瞬間にはTAが着地している。恐るべき加速力というほかありません。


連続交互打鍵のような緩やかなペースの場面であっても、アルペジオが連続で来るような最高速の場面であっても、ゆたゆた選手はそれぞれに合ったやり方で隙間を詰め、平均秒速20打鍵級の速度を維持しているのです。


そしてこの隙間のなさは、当然相手のくわな選手も別の流儀で実現しています。
くわな選手の場合は、ゆたゆた選手ほど目立つアクションを決めるわけではありません。ブリーフィングのINの打鍵も、ゆたゆた選手がほぼ同時に押してガッと取っているのに対し、くわな選手はジャラッと時間差で押している。そうしたミクロな違いはありながらも、最短距離を狙いに行くスマートな指使いを進め、最終的にはゆたゆた選手と同じような速度を叩き出しています。きわめて無駄のない、洗練された打鍵がそこにはあります。


参考までに私自身の打鍵ログを見てみましょう。

これはparaphrohnさん協力のもと現在行っている実験のなかで取得したログの一部です。文章は初見文で、その場でランダム生成されています。
1200kpmを出すためには棒グラフの高さの平均が0.05秒より低くなる必要があるわけですが、この場での実際の平均打鍵間隔は約0.063秒、kpmに直すと946程度です。

この差もまた、打鍵の隙間を詰め切れているかどうかの差に由来しています。
自分の打鍵は非常に凸凹が激しく、散発的な加速と動作の停止が繰り返されています。手を止めてしまっている箇所が多すぎるのです。原因としては認識速度の調節、組立速度の遅さ、動作の不完全さなどが複合的に絡み合っていると思いますが、加速を突き詰めるだけでなく、この無駄をどれだけ削れるかどうかが自分とトップの違いを分けているのではないかと考えています。

計測に用いたツール『mede-typing』は諸事情で一般公開されていませんが、もし興味がある場合はparaphrohnさんもしくは私にご連絡ください。


最終的に実現すべき動作は明快です。
左手の動作が終わったとき、もう右手が入り込んでいる。
右手の動作が終わったとき、もう左手が入り込んでいる。
動作が連続的につながって一体となり、最後までよどみなく進んでいくその卓越した技術が、トップタイパー必要十分条件でないかというのが、自分が観察を通して得た暫定的な結論です。
私もこのような打鍵がいずれ出来るようになりたいと思い、今いろいろな練習を試しています。